アンドリュー・マイヤーズ|化学・ケミカルバイオロジー学科
研究室マネージャー/アドミニストレーター。 Tracey Schaal
Andrew G. Myersは1981年にMITを卒業し、理学士号を取得した。 その後、ハーバード大学のE.J. Corey教授のもとで、1981年から1986年まで大学院生として、また短期間ではあるが博士研究員として研究した。 1998年にハーバード大学の化学およびケミカルバイオロジー学科に移り、2007年から2010年まで学科長を務め、現在はエイモリー・ホートン化学教授である。
マイヤーズ教授の研究プログラムは、生物学と人間の医学において重要な複雑な分子の合成と研究である。 彼のグループは、エネ-ジイン系抗生物質であるネオカルジノスタチン発色団、ダイネミシンA、N1999A2、ケダルシジン発色団など、さまざまな複雑な天然物の合成ルートを開発したが、このクラスのすべてのメンバーが化学的に不安定であることがこの事業を非常に複雑なものにしていた。 テトラサイクリン系抗生物質の実用的な合成経路を初めて開発し、3000種類以上の完全合成アナログ(半合成:天然物を化学修飾した化合物)の合成を、スケーラブルなプロセスで可能にした。 現在、Myersが設立したTetraphase Pharmaceuticals社において、感染症治療のための臨床候補化合物のポートフォリオが開発中であり、すべて完全合成のテトラサイクリンアナログである。 さらに、Myersの研究室は、サフラマイシン、サイトカラシン、ステファシジンB-アヴレインビラミド、トリオキサカリンなどの天然抗増殖剤について、合成の複雑さが似ている単純な構成要素をモジュール状に組み立てることによって、短くて実用的かつ拡張性のある合成ルートを開発している。 彼のグループは、天然物エポキシバスメノン、シアノサイクリン、テルペスタシン、サリノスポラミド、コルチスタチンA、J、K、Lの合成経路を報告している。 さらに、Myers の研究室では、(1) モジュラー・ヴァリエーション (2)を取り入れることによって相乗的に拡大した分子群を構築するための実用的で拡張可能なソリューションを提供する、高度に収束した合成経路の開発にも力を注いでいる。 これには、高度にエナンチオマーに富んだケトン、アルデヒド、アルコール、カルボン酸、有機フッ素化合物、α-アミノ酸を調製するための方法論の開発が含まれる。 プソイドフェナミンおよびプソイドエフェドリンをキラル補助剤として用いた4級炭素中心を含む分子、金属水素化物試薬を用いないアルコールの還元的脱酸素法、スルホニルヒドラゾンからアルケンを立体選択的に合成する方法、など。 プロパルギルアルコールからのアレンの立体特異的合成、アリルアルコールの1,3-還元的転位、シリコン誘導型アルドール付加反応、アルデヒドとアリルアルコールの還元的カップリング方法。 強力な還元剤であるアミドトリヒドロホウ酸リチウムの発見、α-アミノアルデヒドの合成への利用、ジアゾ化合物の合成・変換法、多様性の高いイソキノリン類の合成法、等々であった。 さらに、アレン-エン-イン→α,3-デヒドロトルエン、1,6-ジデヒドロトルエン-アヌレン→1,5-ナフタレンジイル、ネオカルジノスタチンビラジカル生成シクロアロマティゼーション反応、脱カルボン酸型パラジオン反応などの化学における基本的重要な変換を特定し研究を行ってきた
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