ルーチン臨床検査における抗トポイソメラーゼI抗体の意義
背景/目的:2013年の全身性硬化症(SSc)の分類基準では、抗トポイソメラーゼI(抗Scl-70)抗体を有する患者に対して3点(9点診断に向けて)付与されます。 臨床的な観点から、SScの他の病徴がない場合、抗Scl-70抗体の結果の存在意義は依然として不明である。 このプロジェクトの目的は、私たちの施設で日常的な臨床評価を受けている患者さんに対して、マルチプレックス検査で検出された抗Scl-70抗体の臨床的な関連性を明らかにすることです。
方法 ユタ大学で8年間に抗Scl-70抗体陽性(カットオフ:>41 AU/mL陽性)であった患者の結果をレトロスペクティブに検討した。 抗Scl-70抗体が陽性であったすべての患者について、他のSSc分類基準情報を手動でチャートレビューした。
結果。 調査期間中に評価された3331のユニークな患者サンプルがあり、51(1.53%)が抗Scl-70抗体陽性で、5人の患者がフォローアップから外れた。 抗Scl-70抗体陽性患者(n=46)のうち,17人(37%)がSScの診断基準を満たし,11人(23.9%)が他のタイプの肺疾患と診断され,残りの患者は免疫介在性疾患または臨床診断の報告がないことが判明した。 SScのすべての抗Scl-70抗体患者は、疾患のない患者と比較して抗核抗体(ANA)も陽性であった(100% vs. 46.4%, p<0.0001)。 抗Scl-70抗体の中央値は、SSc患者では疾患のない患者と比較して有意に高かった[158 AU/mL vs. 60 AU/mL、p<0.0001、図1)]。 ロジスティック回帰を用いると、抗Scl-70抗体レベルが約200AU/mLでSScの推定確率が1になった(図2)
結論。 このレトロスペクティブな研究では、ANA検査陽性と抗Scl-70の有意な高力価(>5xカットオフ)は、SScの予測因子であると考えられる。 ANA検査なしで低力価の抗Scl-70抗体を発症する病態における基礎となる肺の病態の役割については、さらなる研究が必要であろう」