塩基除去修復
塩基除去修復、細胞がDNA複製の際に傷ついたDNAを修復する経路。 塩基除去修復は、DNAがコピーされるときに突然変異が組み込まれないようにするのに役立ちます。
- Tomas Lindahl
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DNA の一塩基(アデニン, シトシン、グアニン、チミン)は、アルキル化(アルキル基の移動)、脱アミノ化(アミン基の除去)、酸化(活性酸素種による損傷)により自然に損傷を受けやすくなっています。 このような損傷により、塩基の組み合わせがおかしくなり、塩基が置換されたり、塩基が欠落したりすることがある。 塩基除去修復には5つの基本的なステップがあり、まずDNAグリコシラーゼと呼ばれる酵素が変異した塩基を特定し、DNAらせんから除去することから始まる。 次に、AP(apurinic/apyrimidinic)エンドヌクレアーゼと呼ばれる酵素が切断部位を切り、DNAの鎖に切れ目(ニック)を作る。 このとき、鎖切断から生じた様々な中間体や残留する化学物質が酵素的に除去され、修復合成に備えられる。 最後の2つのステップで、隙間を埋めるために1つ以上のヌクレオチドが合成され、DNA鎖の傷はふさがれる。 (ヌクレオチドとは、糖とリン酸基に結合した塩基で、DNAの骨格を形成している)
DNA glycosylaseには、損傷を受けたさまざまな塩基を認識する能力がある。 また、細胞毒(細胞に有害なもの)であったり、DNAポリメラーゼ(DNA複製に関与する酵素)にエラーを起こさせるようなDNA塩基も除去することができる。 DNAグリコシラーゼの中には、前述のような活性と、DNA骨格をアベシキ部位で切断するリアーゼ活性を併せ持つ、二重機能を持つものがあることが示されている。 多くのDNAグリコシラーゼが知られている。 例えば、ウラシルDNAグリコシラーゼ、一本鎖選択的単機能ウラシルDNAグリコシラーゼ(SMUG1)、チミンDNAグリコシラーゼ(TDG)などがある。