潰瘍性大腸炎のスキップ病変としての虫垂口炎症:内科的治療と疾患の範囲との関連での分析

Background: 潰瘍性大腸炎において虫垂がskip lesionとして関与するとの報告はいくつかあるが,薬物療法の結果としてこのskip lesionが生じる可能性は否定できない. また、虫垂口炎症の有無と病変の程度との関係については、ほとんど知られていない。

方法 活動性の潰瘍性大腸炎で,病変の範囲が肝弯曲を超えていない患者94例を対象に,内視鏡的および組織学的に虫垂口蓋炎の有無を前向きに評価した。 過去の薬物療法が虫垂口蓋炎の有病率に及ぼす影響を評価するため、全症例を2群に分けた。 A群は組み入れ前に治療を受けていた66例、B群は組み入れ時に新たに診断された28例で構成された。

結論 潰瘍性大腸炎のスキップ病変としての虫垂口炎症は稀ではなく,病変が軽度の患者ほど高頻度に認められ,内科的治療による斑状の改善ではない。