Structure
Mg含有量の異なるAl-Mg合金のas-received状態での代表結晶粒組織を図1に示した。 両試料とも類似の等軸樹枝状構造を特徴としていることが明らかである。 ロゼット状の初晶Alに加え、非平衡凝固の結果、デンドライト間領域にβ相が分布していることがわかる。 As-received状態の材料の精密な相同定を行うために、2種類のエッチャントを用いて、微細構造を明らかにした。 アルミニウム合金のエッチングによく使われるケラー試薬(図2a)では、結晶粒界の二次析出物は確認できるが、構造成分の明確な識別はできない。 Weck試薬の適用により、その濃淡で個々の析出物を識別することができる。 従って、受入時の組織は、α-Al(明るい母相)、Al3Mg2(暗い析出物)、粒界付近に形成されるMg2Si(灰色の析出物)の3相から構成されていると言える(図2b)。 このような主相の存在は、これまでの研究でも確認されている。 析出処理は樹枝状構造を消失させ、粒径とその形態に大きな影響を及ぼさない(図3)。 このことから、過飽和固溶体から析出する析出処理過程において、硬化性の二次相β′-Al3Mg2が析出し、合金のマトリックス中に均一に分散していることがわかる。 この効果は、Starink と Zahra によって広く研究されている。 図 4a, b は、熱分析後の EN AC 51300 合金の微細構造を示している。 図 4a, b は熱分析後の EN AC 51300 合金の組織を示しており、熱分析後のデンドライトアーム間隔 (DAS) と粒径が、受入状態や熱処理状態に比べて大きくなっていることが分かります。 また、二次相の大部分は結晶粒界に存在し、明るい析出物として確認することができる。 また,冷却速度の増加により,両合金とも結晶粒径が減少していることも言及されるべきである。 線交法による粒度測定の結果を表2に示す。 また、EN AC 51300 合金中のマグネシウム量が多いほど、熱分析後の結晶粒径が小さくなると結論付けることができる。 この現象は、Mgを5%程度含む合金の初晶の核形成が早いためであると考えられる