神経性食欲不振症の便秘患者における大腸および直腸機能

目的 摂食障害患者の多くは重度の便秘を訴えている。 これまでの研究で、神経性食欲不振症患者の便秘は、大腸通過の遅さと関連している可能性が示唆されている。 しかし,再栄養プログラムがこれらの患者の大腸通過を変化させるかどうかは不明である。 本研究の目的は、再栄養プログラムによる治療中の便秘を有する拒食症患者において、大腸通過および肛門機能を測定することにより、大腸機能を調べることであった。

Methods: 入院治療室に入院している神経性食欲不振症の女性患者13名を前向きに調査し、以前に調査した年齢を合わせた健康な女性対照者20名と比較した。 患者はX線不透過マーカーを用いた大腸通過試験と,肛門括約筋機能,直腸感覚,排出動態,直腸コンプライアンスを測定する直腸内圧測定試験を受けた。 患者は入院初期(< 3wk)と後期(> 3wk)の両方で調査された。 大腸通過が遅かった2名の患者を再調査した。 また、全患者に構造化面接を行った。

結果 入院後3週間以内に調査した6名の患者のうち4名は、最初の評価で> 70時間(108.0 +/- 17.0時間、平均+/- SEM)と定義される遅い大腸通過を有していた。 一方、入院後3週間以降に調査された7名の患者には、緩徐な大腸通過を示すものはなかった。 4人のうち2人は、入院後再調査したところ、正常な通過時間であった。 直腸感覚、内肛門括約筋弛緩閾値、直腸コンプライアンス、括約筋圧、排出パターンは全例で正常であった。

結論 重度の便秘の訴えにもかかわらず、少なくとも3週間バランスのとれた体重増加または体重維持食を摂取すれば、神経性食欲不振症患者の大部分で結腸通過は正常であるか、正常に戻ることがわかった。