音楽が乳牛の自動搾乳器への自発的接近に及ぼす影響

この実験の主目的は、音楽が自動搾乳器(AMS)への牛の自発的接近に及ぼす影響を評価することであった。 AMSでの1日2回の搾乳を2ヶ月間経験した中・後期泌乳のホルスタイン牛19頭をこの研究に使用した。 牛は床がすのこになっているフリーストール牛舎に収容し、室内の飼槽を使って完全混合飼料を与えた。 また、搾乳時にはAMS内で1頭あたり1.5kgの穀物ペレットを提供した。 観測の69日前から、搾乳コンパートメント内、搾乳牛の頭上約1.2m、牛舎の長辺にもアンプを設置し、搾乳時に音楽を流した。 音は各搾乳時間の開始時に作動し、最後の搾乳牛がAMSから出た後に終了した。 午後の搾乳時の行動観察は、音楽を鳴らす日と鳴らさない日をランダムに入れ替えながら20日間行った。 搾乳開始5分前と開始5分後にホールディングエリア内の牛の頭数を瞬時に記録した。 音楽がある日、ホールディングエリア内の牛の数は22.3 ± 15.1% から 45.0 ± 18.0% に増加した(P < 0.01)。 音楽のない対照日では、この差はあまり顕著ではなく、27.1 ± 13.7% から 35.1 ± 15.4% へと増加した(P = 0.150)。 搾乳時間開始5分前から5分後までの行動状態の構成比の変化は、音楽がある日は有意であったが(P < 0.001)、コントロールの日は有意ではなかった(P=0.412)。 この結果は、音楽が牛の行動準備に影響を与え、AMSの搾乳コンパートメントに入ることを促す効果があることを示している