Arterial vascularisation of anterior perforated substance
はじめに: 前部穿通物質(APS)の動脈は内果、被殻、尾状核などの重要な内部構造へ血液を供給する役割を担っているため重要である。 本研究の目的は、APSの動脈を詳細に調べることである。
方法 成人死体脳30個から得た大脳半球60個を対象に,APSの動脈を検討した. 内頚動脈にカニュレーションを行い,着色ラテックスで灌流した. APSを貫通する中大脳動脈(MCA)の枝を調査した. これらの動脈は外側黒質動脈として知られ,MCAのM1セグメント,初期側頭枝および初期前頭枝に由来し,記録された.
結果 APSに達する前方脈絡膜動脈の分枝はすべての標本に認められた。 前大脳動脈(ACA)のA2セグメントからAPSに発生する枝は全半球で1~3本,ACAのA1セグメントから発生する枝は48半球で1~3本見られた. また、ACAのA2セグメントから発生した2本の付属MCAがバリエーションとして記録され、APSへの穿通枝が観察された。
結論 APSの動脈を損傷した結果,運動障害などの重篤な合併症が生じることがある。 したがって、動脈瘤や島腫瘍の手術などを行う脳神経外科医は、これらの動脈を温存することの重要性を認識する必要がある。