Cerebral arteriostenosis associated with elevated serum-immunoglobulin E level in young adults without risk factors for ischemic stroke: a possible manifestation of cerebral vasculitis?
血清免疫グロブリンE値の上昇を特徴とする症状のある若年成人の脳動脈狭窄症について報告した. 全例に脳血管障害の明確な危険因子はなかった. 血清IgE値の上昇のみを特徴とし,脳血管障害の危険因子を有しない虚血性脳卒中の若年成人26例(年齢18~50歳)の臨床データをレトロスペクティブに検討した. 動脈硬化はdigital subtraction angiography(DSA)で調査・追跡し,狭窄率はwarfarin-aspirin symptomatic intracranial disease techniqueを使用して推定した. 全例に血管炎に対する共通戦略に従って副腎皮質ステロイド治療が行われた. 追跡期間中に脳卒中の再発はなかった. 治療前後の平均狭窄度はそれぞれ69.3±29.8%,47.9±45.1%であった. 初回とフォローアップのDSA評価における狭窄率の差は,paired samples testを用いて有意であった(21.31±26.88,95%信頼区間13.58-29.03,t=5.55,p<0.001). Kaplan-Meier生存解析の結果、13ヶ月の累積改善病変率は40.3±8.7%であった。 これは18ヶ月でも変わらなかった。 病変改善までの平均期間は12.58±0.96カ月(95%CI 10.70-14.46)、中央値は13±3.88カ月(95%CI 5.39-20.61)であった。 我々の知る限り,IgEの血清レベル上昇のみを伴う脳動脈硬化症は報告されていない. 我々のデータでは,副腎皮質ステロイド治療により,臨床的および動脈的な改善が得られることが示された. このことから,本研究で認められた脳動脈硬化症は,何らかの特殊な血管の炎症が原因である可能性が示唆された.