Discrepancy in blood pressure between left and right arms – importance of clinical diagnosis and role of radiological imaging
はじめに: 収縮期血圧の左右差はよくあることであるが、その差が大きい場合には問題を示唆することがある。 大動脈解離の早期発見が患者の生存率を左右する。 したがって、正確な診断のためには、高い疑い指数と迅速な画像診断が不可欠である。
症例提示。 35歳の健康な女性が、急性肺水腫を合併した高血圧性心筋症のため、地方病院から紹介された。 集中治療室に入院後、左腕の平均動脈圧が有意に高いことが指摘された。 身体所見では、両下肢は灌流不良のため、くすんだ色をしていた。
検査の結果。 コンピュータ断層撮影では、近位総頸動脈に及ぶ広範な弓部および腹部大動脈解離を認めた。 腹部大動脈遠位部に血栓があり、左腎臓の一部が梗塞していた。 心エコー図では,全体的な運動量低下,内膜弁の存在,大動脈弁閉鎖不全,軽度の心嚢液貯留がみられた. 胸部X線では明らかな心肥大を認めた。
治療。 入院2日目に心療内科で上行大動脈解離の修復と大動脈弁の停止を行った。 入院9日目に血管班が両側膝上高位切断術を行った。
成果。 入院10日目、患者は死亡した。
考察。 大動脈解離の古典的な特徴がないため、診断の確立は困難であり、早期の治療開始のためには、十分な臨床判断と迅速な放射線画像診断の両方が必要である。
結語 両腕の血圧が大きく異なる場合、高い疑い指数と十分な臨床判断が必要である。