Effects of high and low anxiety provoking instructions on responses to hyperventilation provocation test

本研究では過換気誘発試験(HVPT)を受ける被験者に対して不安誘発指示の高低を検討し、その効果について調べた。 対象は過換気症候群(HVS)の診断のために当院に紹介された外来患者43名であった。 その結果、不安レベルは指示操作の影響を受けたが、その影響の大きさは予想より小さく、指示操作は再現される症状の強度や種類、症状の認知には影響を与えなかった。 また、Diagnostic and Statistical manual of Mental Disorders (3rd ed., rev.; American Psychiatric Association, 1987) のパニック障害(PD)の基準を満たす被験者は、非PD患者と比べて指示操作への反応性は高くなかった。 操作の効果が小さいのは、HVPTの堅実さではなく、テスト前の認知や期待が浸透しているためだろうと論じている。 これに伴い、HVS症状の報告は、不安、身体感覚への恐怖、身体症状を報告する一般的傾向などの心理的特性尺度と高い関連性があると思われた。