[On relationship between body dimensions and appendix length]
過去数十年間に、体格と内分泌パラメータの関係、体格と心エコー図の心サイズなど臨床と身体測定パラメータの間に多くの有意な相関が見いだされた。 外科医は手術中に、様々な体格の患者の虫垂の大きさに幅があることをしばしば発見する。 本研究の目的は、急性虫垂炎のため手術を受けた連続167名の患者(2004年1月1日~2006年12月31日、年齢範囲7~95歳、中央値20歳、平均年齢男性27.7歳、女性26.6歳)について、身体測定値(身長、体重、BMI)、炎症パラメータ(組織学的炎症程度、白血球数とCRP)および虫垂長との関係を検出することにある。 虫垂切除術は95%が腹腔鏡下手術で,5%が開腹手術であった. 男性の虫垂長は平均7.5 cm(SD = 2.1)で,女性の6.3 cm(SD = 1.6)より有意に長かった. 身長は男性169.8(SD = 15.6)cm,女性165.2(SD = 9.6)cm,体重は男性70.4(SD = 23.4) kg,女性61.9(SD = 16.1) kg,BMI 24.1(SD = 5.4) kg/㎡,男性 22.9(SD = 4.8) kg/㎡ と,平均値も記録されている。 平均白血球数は男性12700(SD=5500)/ml,女性11600(SD=4900)/ml,CRPは男性4.3(SD=5.4)mg/l,女性4.5(SD=8.9)mg/lであった. 病理組織学的診断では,76例(45.5 %)が粘膜下線維性白斑,1例が急性化膿性炎症,65例が潰瘍性疱瘡性炎症,3例が穿孔であった。 虫垂長とCRPの間に有意なスピアマンの相関係数は認められなかったが、虫垂長は体重(r=0.25)と高い有意な相関を示し、白血球数(r=0.16)、体高(r=0.16)、BMI(r=0.17)、組織的炎症程度(r=0.18)と有意な相関を示した。 このように、見つかった相関関係は、文献に記載されている人体計測と内分泌または心エコーパラメータとの関係より低いものであった。