Reviewα-1-acid glycoprotein

α-1-acid glycoprotein (AGP) or orosomucoid (ORM) は41-43kDaの糖タンパク質でpIは2.8-3.8であった。 ペプチド部分は183アミノ酸(ヒト)または187アミノ酸(ラット)からなる一本鎖で、ヒトとラットではそれぞれ2つ、1つのジスルフィド結合がある。 糖質は分子量の45%を占め、5〜6個の高度なシアリル化複合型N-結合型糖鎖の形で結合している。 AGPは、ヒト、ラット、マウスなどにおいて、主要な急性期タンパク質の一つである。 ほとんどの急性期タンパク質と同様に、その血清濃度は、全身組織の傷害、炎症または感染に反応して上昇し、この血清タンパク質濃度の変化は、肝合成の増加と相関している。 AGP遺伝子の発現は、主要な調節メディエーター、すなわちグルココルチコイドと、主にインターロイキン-1β(IL-1β)、腫瘍壊死因子-α(TNFα)、インターロイキン-6およびIL-6関連サイトカインを含むサイトカインネットワークの組み合わせにより制御されている。 現在では、急性期反応は肝細胞以外の細胞種で起こり、肝細胞で観察されるような炎症性メディエーターによって制御されている可能性があることが十分に立証されている。 AGPの生物学的機能は未だ不明ですが、様々な免疫調節作用など、生理的意義のありそうな活性が多数報告されています。 AGPはまた、内因性(ステロイドホルモン)および外因性の多くの塩基性および中性親油性薬物を結合して運ぶ能力を持っており、1〜7個の結合部位が記載されています。 AGPはフェノバルビタールのような酸性薬物とも結合することができる。 AGPの免疫調節活性および結合活性は、その大部分が糖鎖組成に依存することが示されている。 最後に、AGPトランスジェニック動物を用いることで、AGPに結合する薬物の効果だけでなく、応答分子の機能性や組織特異性をin vivoで調べることができ、AGPの生理的役割を明らかにするための有用なツールとなるであろう